こんにちは。
ヒロ横浜デンタル理事長の高橋です。
「他院で抜歯と言われたけれど、どうしても抜きたくない」
「本当に残す方法はないの?」
そんなご相談を、私たちは毎日のようにいただきます。
もちろん、私たち専門医は“歯を残すこと”を最優先に考えています。
しかし、どれだけ技術を尽くしても 「ここが限界」 というラインが存在します。
そして、無理に残そうとすることで、
周りの骨や他の歯まで巻き込んでしまう危険性があることも、
ぜひ知っておいてほしいのです。
このブログでは、
「どんな状態なら残せて、どんな状態なら抜歯が必要なのか」
その判断基準を専門医の視点からお伝えします。
■専門医でも“残せない”と判断する3つのケース
① 歯の根っこに深いヒビ・割れがある(歯根破折)
歯根破折とは、歯の根っこに深いヒビが入ったり、割れてしまった状態です。
イメージとしては、
ヒビの入ったガラスのコップに水を入れると、どんなに接着しても漏れてしまう
そんな状態に近いです。
歯の場合、このヒビから細菌が骨の中へと入り続け、炎症が止まりません。
現代の医療では、このヒビを完全に無菌化することは不可能です。
そのため、周囲の骨が大きく溶けてしまう前に、抜歯が最も安全な選択となります。
② 虫歯が深すぎて、歯ぐきの奥まで進行している
歯の頭の部分がほとんど溶けてしまい、根っこだけが歯ぐきの奥に埋もれている状態です。
被せ物を作るには、
「土台となる歯の壁がしっかり残っていること」
が絶対条件です。
家づくりと同じで、
基礎がボロボロだったり地面の下に沈んでしまっている状態では、
どんなに立派な家を建てても倒れてしまいます。
矯正で歯を引っ張り上げるなど、残すための特殊な治療法もありますが、
それすら不可能なほど虫歯が深く進んでいる場合は、
被せ物が成立しないため抜歯の判断となります。
③ 歯を支える骨が、歯周病などで大きく失われている
歯そのものがしっかりしていても、
支える骨がなければ歯はグラグラになります。
砂場に立てた棒の周りの砂を掘っていくと、
最後は棒が倒れてしまうのと同じです。
この状態で無理に歯を残すと、
✔噛むたびに揺れて骨をさらに破壊
✔周囲の健康な歯にまで悪影響
✔将来インプラントや入れ歯を作る際の「土台の骨」がなくなる
といった深刻な問題を引き起こします。
そのため、骨の量が極端に少ない場合は、
抜歯が最も安全で前向きな選択となります。
■まとめ:抜歯は「治療の敗北」ではありません
今回お伝えしたように、専門医が抜歯を決断するのは次の3つのケースです。
・根っこが割れている
・虫歯が深すぎて土台が作れない
・歯を支える骨が大きく失われている
抜歯は決して“治療の失敗”ではありません。
むしろ、感染の広がりを止め、周りの健康な骨や歯を守るための
前向きな選択であることも多いのです。
もし「抜歯と言われて不安」という方は、
なぜ抜かなければならないのか、ぜひ担当の先生に理由を聞いてみてください。
そして、
「本当に残す道はないのか知りたい」
「顕微鏡で精密に診てもらいたい」
という場合は、どうか一人で悩まず、歯内療法専門医にご相談ください。
今回のテーマをYouTubeで詳しく説明していますので、ぜひご覧ください!
↓まだご視聴されていない方は、是非下記のURLからご視聴願います↓